※ちょい閲覧注意です。
本編
*前回までのあらすじ
心霊スポット探索しに来た!(嘘)
『かつてあの地に存在した痣縄村はとても貧しい村で、子供は実の親にすら邪険にされる存在であった。
着る物にも食べる物にも困る。明日が来るのかすら分からない。
先の見えない生活に追い打ちを掛けるように、村で突如疫病が発生した。
全身が痺れ、身体にカビの様な物が生えて皆死んでしまった。
あっという間に村は滅び、人の居なくなった村は廃墟と化した。
不思議な事に、その疫病が流行したのは痣縄村だけで、隣村では同じ病気は一切発生しなかった。
以来その土地は呪われているとされ、今に至るまで誰も住んでいない』
昴「これが私とめごかが聞いた話だ」
彩「お、おう…何て言うか…。
何も言えないです」
め「うん。私も500年以上生きて来たけど、これはちょっと」
彩「子供は邪魔者扱いだったって事は…じゃあみこっちゃんも」
昴「例外では無かったんだろうな」
め「彩枦ちゃん、みこっちゃんに聞いて来てくれた?家族の事」
彩「ああうん、聞いたよ。言う事が無いんだってさ。
話を聞くに、どうやら育ての親と産みの親が別っぽくてね」
め「事情が複雑だねぇ…」
彩「それで、その育ての親が、神社のひと…」
ス「神社ってあの雑木林の所にあったアレかな」
昴「神社って事はそこの神主とか?」
彩(雑木林にあったって何だよ)
「や、違うっぽい。神職さんじゃあないって。
じゃあ何なんだろうな」
ス「命、ホントにひとって言ってた?
あの子隠したい事は全力で隠そうとするじゃん」
彩「んーーーーーーーー。
一瞬、『か』って言いかけた気がするなー。
アレは神様って言おうとして誤魔化したのかもしれねーなー」
め「あれ、みこっちゃんは神様が苦手なんじゃなかったっけ。
というか、昴ちゃん、あのおばあちゃん、その村の神様の話もしてなかったっけ。
私途中から寝てたからちゃんと覚えてない」
昴「寝るなや。確かに言ってた。長かったんで要約すると―――」
『痣縄村には一件だけ神社があって、”丹心さま”という神様が祀られていたらしい。
何でも丹心さまは健康、繁栄、財産―――あらゆる幸福をもたらしてくれる神様で、村人たちはこの神様を熱心に信仰していた。
その良い事づくめの神様の信仰は周囲の村にも広まり、痣縄村が無くなってからも信仰は続いていたが、ここ数年はその名前をすっかり聞かなくなった』
昴「という訳で、ここ一帯にはかつて『丹心さま信仰』があったようだ」
彩「じゃあみこっちゃんが言いかけた(と思われる)神様が、その丹心さんなのかね」
め「多分、いや間違いないかも。例のおばあちゃんによると、丹心さんって、子供を守ってくれる神様でもあったみたい。
痣縄村の周りにあった割と裕福な村で言われてた事らしいけど」
ス「じゃあその神格に則って、丹心さんは命を助けたとか?」
め「そうかも。じゃあさ、ちょっとその神社見てみようよ。
スノドロ、案内して!」
ス「うい」
▲
彩「スノドロ、おま…どうやって雑木林の中を見通したのよ」
ス「人間とは視力が違うのだよ視力が」
彩「そうかいな」
め「ねえ昴ちゃん。あのおばあちゃん、痣縄村は完全に消えてるらしいとか言ってたけど、普通にあるじゃんね」
昴「あのお婆さんは霊感が無いから見えなかったのかもしれない」
め「ふうん、そっかぁ」
メモ
今回は以上です。
ここで設定。
年齢。昴:1000歳以上。
めごか:500歳以上
彩枦:100年も生きとらん若造。
スノドロ:不明。彩枦より遥かに年上。
命:不明。