深淵小町

「しんえんこまち」と読みます。主に創作。

労働

本編

絵「きゃー❤受かった!」
音「何が?」
絵「バイト!この時期の大量に湧いた霊が人間に害を齎さないように捕まえて瓶に閉じ込めるの」
音「頑張ってねー」
絵「うん。これが終わったら11月はことりさんの紹介で北海道でバイトしたりー」
音「凍死しないよう気を付けてねー」
絵「うふふ、将来的には地獄で働くの❤」
音「いやあ、何でおねえちゃんは地獄労働に全然ビビってないワケ?
  普通に人間には1ミリも優しくないトコだよ。でも人外は優待だよ」

絵「だって、地獄にはさー、いるでしょ、ケルベロス
音「いないよ」
絵「えっ」
音「ケルベロスギリシャの冥界所属なんだよ」
絵「め、冥界と地獄って違うのん?」
こ「同一視されがちだけど全然違うよ。
  冥界の王ハデスは地獄と何も関係無い。人間が勝手に同一視してるだけ」
絵「そ、そうなんだ…。みなこに言ったらギリシャ冥界に紹介して貰えるかな…」
こ「地獄に就職しても会えるよ。
  今は昔と違って全世界のあの世は深い所で繋がってるから。
  仏教の地獄とキリスト教の地獄が統合されたのをきっかけに、冥界も日本の黄泉も一緒になった。
  から、頑張れば行けるでしょ」
絵「良かった~~~」
音「あ、そうだ。おねえちゃん、お菓子あげる。
  はいメルティーキッス
絵「ダウト、それはメルティーキッスの匂いじゃない」
音「流石犬は嗅覚が凄いねー。これは10円チョコだよ」
絵「あ、そうなの?
  よくある袋入りのやつかと」
こ「音海、犬にチョコ食わそうとすな」

雪「あっ」
絵「雪蘭さん」
雪「えー…絵茉ちゃん、もこのバイトするんだ?
  ま、幽霊は狂暴で噛みついてくるのもいるから気を付けなって事で」
絵「はーい」
雪「でも基本臆病な割に逃げ足遅い奴ばっかだから楽だよ、ほら」
絵「おー。あ、狐の霊」
雪「何で動物霊が混じってるんだ~?小学校のガキがこっくりさんでもやってたのかなー。
  まあいいや、動物霊は何でも畜生並で基本百害あって一利なしだから絶対捕獲間違いなく捕獲!」
絵「了解です!犬らしくいきます!」
雪「うん、威勢いいね。あっ花琳ちゃんからLINE」
絵「花琳ちゃんって?」
雪「うちの僵尸だヨー。何でもやってくれてる、関節が硬直してて顔色わるわるな以外非の打ち所無し、あ、でも背が高いから声低めなのがなー」
絵「襲われないんですか?キョンシーって中国版ゾンビみたいな感じでしょ?」
雪「主を襲うようなら即”火葬”」
絵「へぇ…。あれ?遺族の許可とかは?」
雪「取ってる子も居るし、取ってない子も居る。花琳ちゃんは忘れたー。
  一応師匠からはそこら辺ちゃんとしろって言われてるんだけどねー」
絵「そうですよ、ちゃんとしましょうよ。遺体とかの権利って多分面倒ですよ。
  バレたら社会的に死にますよ」
雪「元々死んでるようなもんだしセーフ。
  というか師匠だって霊を自分の体に宿して自分の力にするって感じの術使ってるのによく言うよー」
絵「霊ならセーフなのかも?」
雪「まあそういう理屈だろうね。ちなみに師匠ってバツ2なんだよー」
絵「そういう事あんまり人に言うもんじゃ…」
雪「ほぎゃーーーーー!」
絵「へぇっ!?雷!!??」
雪「し、師匠に殺される!ひぎゃあ!」

メモ

今回は以上です。

イラストの図はあくまで音海の想像なので、実際のあの世とは異なる可能性があります。

師匠はずっと雪蘭を見てるよ。

日記

猫の体あったかい。
ネギエキス入りの鰹節を食べてしまった猫さんですが、元気そうです。
最近は温かさに肖ろうと体を触っていると、手をぺろぺろ舐めて来るようになりました。
多分離せよって言いたいんだと思います。可愛いですね。