深淵小町

「しんえんこまち」と読みます。主に創作。

風船の魔

本編

子供「うわーん」
ほ(うるせ…)
 「どうしたの君、そんな泣いて」
子「わたしの風船が木に引っかかっちゃった…」
ほ「取ってやろうか?」
子「いいの!?」
ほ「良いよ、私立派な羽あるし、よいせっ、と。
  はい、どうぞ」
子「わーい!お姉ちゃん、ありがとー!」
ほ「どういたしまして」
子「お姉ちゃーん、ばいばーい!」

ほ「うん、ばいばい。
  ………。たまには人助けも悪くないもんだなあ…。
  あ、天使の羽のホワイトフェザーが生えて来よった。ちょっとでも良い事するとすぐにこうだわ、さっさと抜け切って欲しいのに。
  一度に付き抜けるのは一枚なのがなー。めんどくさいわあ…あ?
  みなこじゃん!何運んでんの?」
み「げっほまれっ。これはなあ、ロデオマシーンだぜ。知り合いから譲って貰った」
ほ「へー。これがかあ、初めて見た」
み「私もだぜ。つーかお前、こんな所で何してんだ?
  ま、お前がその辺ほっつき歩いてんのは珍しい事じゃないけどな!」
ほ「散歩だけど?ついでに騒いでるガキが居たから人助けしてやってー」
み「お前が人助け?信じらんねー」
ほ「たまにはするよ、天使だし」
み「天使やめようとしてんだろオメー」
ほ「いやー、たまには人助けも悪くないよねー。
  私困ってる人を助ける仕事がしたいなっ★」
み「クッソ抽象的だな。物理的になのか精神的になのか、どっちだ」
ほ「勿論精神面。今回の件で風船が割れたとしても、あの子の心に『自分の為に風船を取ってくれようとした人が居た』という喜びが残ってくれれば良いと思うよ」
み「ほーん、じゃあ私が紹介してやろーか、精神の根底をほじくり返して他人のメンタル覗く仕事」

み「こんな流れでな」
絵「あ、ことりさん、夕飯の準備手伝います」
こ「ありがと、じゃあお肉切って貰える?」
絵「はーい」
音「みなこの人脈どうなってんの」
み「私の上司は”あの”ルシファー(本物)だからな!顔は広いんだ。
  あと音海、勉強せえ」
音「めんどい」
み「お前の志望校の偏差値言ってみろや!」
音「70近く…」
み「進学校だろ!?勉強せえや!しかも県外だろ!」
音「うん。神奈川の。私はそこに行ってお父さんの背中をぶっ刺そうと思ってるよ」
み「ふ、悪魔と契約しただけあってダーティな野望を抱いていやがるな」
音「しかもこの家の下にはヤバイ妖怪が埋まってるんだから」
み「ふーん、気付いてたのか。ことりも麻美も私も気を遣って伏せてたと言うのに。
  ちなみに絵茉は全然気付いて無い」
音「匂いしないのかな?
  まあしかもそのヤバイ奴は人間をフツーに食う。私とついでにおねえちゃんを生贄にする事を目論んでるのバレバレ。
  ムカつくから根本的な解決にならないのは解ってるけどお父さんに復讐してやる」
み「おう、頑張れよ。
  ちなみに私の分析によるとそのヤベーやつ、あと10年は起きないぞ。余程の刺激を与えない限り、な」
音「フラグ立てないでよ」

メモ

今回は以上です。

音海が家の下に変なモノが埋まっていると気付いた理由:何年か前のハロウィンの時、新しく悪魔を召喚しようとしたら誤って発掘してしまった為。
ちなみにヤベー奴が復活して異界記紀のラスボスとなる事は無いよ。

というかホワイトフェザーってイキリンコだったのか この世界の天使は

日記

制作中の自主制作ゲームのテキストの大幅修正しました。
セリフ多すぎるとホラー感が薄れるかなーと思って、お気に入りだったセリフも思い切って削除祭り。
あとは曲と背景とCGです。
背景も全部自分で描こうと思ってたのですが、背景が全然描けないのと、昨日頑張って書いてみたら何か絵面がシュールになってしまったので、フリー素材さんに頼る事にしました。