深淵小町

「しんえんこまち」と読みます。主に創作。

難儀なこと

扉絵


本編

絵「まだケーキ売ってた」
こ「絵茉、私買った物冷蔵庫とかに仕舞って来るから。
  ご協力ありがと」
絵「あ、はいっ。ねえみなこ」
み「あーん?」
絵「行事がある時、禁域の外はどうなってるのかな」
み「普段通り生活してんだろ。寝たり起きたり、うっかり禁域から出ちまった人間食ったりな。
  ちなみに妖怪共は魂までは食わないらしいぜ。あくまで肉と骨だけ」
絵「人間食べる…のは、人間として複雑だけど」
み「ここは妖怪の為の町だからな、日替わり当番制で町を管理してる土着神っつー神様達がいるんだがな、そいつらとしてもあんまり人間贔屓とか出来ねーんだ。
  あくまで人外の類の町なんだから、人間が住むのは完全自己責任、嫌なら出てってくれってスタンスだろうぜ」
絵「でも禁域作ってくれたんだ…。大変なんだね、土着神さんたち」
み「近頃は信仰も賽銭も減って大変らしいからなー。
  まああの時お前を襲った妖怪が肝臓しか食わない偏食な奴で良かったな。ところで絵茉」
絵「ん?」
み「私がクリスマスに寄越したアレ、ちゃんと持ってるか?」
絵「持ってるわよ、大事な物なんだからちゃーんとファイルに入れてるよ」
み「なら良いんだぜ。捨てられちゃー困るからな」

み「おら絵茉、クリスマスのプレゼントをやるよ」
絵「え?何何?」
み「お前が音海につげ義春とかいう奴の何かを買ってやってる間に取り寄せてやったぞ、コレ」
絵「こ、これは…!」
み「受験票。受けて来いよ、3月の獄卒試験。会場までは私が送ってってやる」

絵「みなこありがとう愛してる」
み「まあな。二人分手に入れるのは大変だったぜ」
絵「ん、私以外に誰か受ける人いるの?」
み「まあ知り合いがな。お前は知らなくても良い事だぜ。
  ソイツが受けるの、お前と違ってペーパーテストじゃねえし」
絵「そっか。了解だよ」

ほ「ああ、今日は大天使サマ達は皆出払ってしまっているのね」
天使A「そうよー、だから今この施設にはあたしら平天使しかいないのよー。
    で、今日ほまれちゃんは何しに来たんだっけ?」
ほ「健康診断」
A「そうだったねー。部屋はあっちの方ねー。設備の一新で全部セルフで出来る様になってるから。
  説明書き読めば機械の使い方解るから。あ、その羽カバーは外してね」
ほ「オッケー。説明ありがと」
A「そういやあほまれちゃん、今現世にいるんだよね。現世って楽しいのー?」
ほ「楽しいよ?お金さえ持ってればほぼ何でも出来る」
A「へえー。意外と居心地良さそうだねー」
ほ「良いとこだよー。ところで、今地獄に行ってる子ってどの子?」
A「んー?あー。それはね」

メモ

今回は以上です。

絵茉の肝臓を器用に引っこ抜いて食ったのは、きっとそういう妖怪なのでしょう。
みずは町は人間が禁域から一歩でも出たらすぐ妖怪にターゲットにされます。動物(家畜類)もです。
ホントは人間食べなくても、存在を認識して貰えば生きていけるんですけどね。
禁域内に来る奴は本当に珍しい。

扉絵の変な人はみなこの上司・ルシファーです。
愛称・ルーシー。

日記

暇!
猫さんは最近ケージの外、人間の近くでご飯を食べる訓練中。頑張れー
今日二度寝から起きたら祖母(母方)から電話がかかって来て、猫さんの事を訊かれました。
今度うちに来たらだっこすると意気込んでおりました。
でも猫さんにはだっこ滅茶苦茶拒否られるんだよなー。
人間の手から何としてでも逃れようとします。