深淵小町

「しんえんこまち」と読みます。主に創作。

明星

本編

音「勉強する気全然起きないなー。
  かと言って寝るのもなんだから部屋の掃除でもするか」

音「お、早速何か出て来た…これは…えーと…あ!小学生の頃おねえちゃんとお揃いで買ったやつだ!」

音「おねえちゃーん、部屋からこれ出て来た!覚えてる?」
絵「あ!それ!うん。覚えてるよ。ほら、ずっとお守り代わりにスマホケースに入れてた。
  …お母さんとお父さんが離婚する前だよね。二人のお小遣いで買ったの」
音「そうだったねー。あの時はまだ親の仲も良かったね。
  皆でおっきい家に住んでたし」
絵「原因は解らないけど、急に仲悪くなったのよね。それで離婚しちゃって、私はお母さんに、音海ちゃんはお父さんに引き取られてって感じ。
  お母さんね、仕事だとか友達と遊びに行くとかでいっつも家に居なくて、全然構って貰った覚えないなぁ。
  おまけに私が高校の頃死んじゃったし。遺産はちゃんと残してくれたけど」
音「お父さんも全然構ってくれてないよー。
  会社の経営が忙しいって言って、私を関西の家からここ、というかみずは町の別荘に無理矢理引っ越させた!
  お金は出してくれてるけど、もう何年も顔見てない!」
絵「ああ、お父さん会社経営してたんだった。あの時はまだ子供だったから何て名前の会社か聞いた事も無くて。
  未だに知らな…」
音「通称『宵の魔社』って言うらしいよ。今宵の宵に魔法の魔」
絵「へえー宵の魔…私が働いてた会社!
  嘘でしょ?ホントなの!?社員をこんなヤバイ所に追いやる会社の社長がお父さん!?
  というか今までそんな訳無いと思ってツッコまなかったけど的中してたの!?」
音「んー、おねえちゃんの存在を認知した上で、私をここに引っ越させたのと同じ理由でわざと…みたいな事あるかな?」
絵「だとしたらヤバすぎるでしょ!
  何で音海ちゃんはそんなに落ち着いてんの!」
音「親への情とか最早無いからどうでもいい」

母「ついて来ないで」
音「何でよ!私もお母さんと行く!」
母「触らないで。アンタの顔見るたびに腹立つのよ。何でそんなにお義姉さんに似てるの?
  気持ち悪い」
音「え…?何で伯母ちゃんと似てたら駄目なの…?」
母「アンタは知らないだろうけど、私、ずっとアイツに嫌がらせ受けてたのよ。
  だからアンタが成長するたびにアイツに似ていくからずっとイラついてた」
音「で、でも!私、それでもお母さんと…」
母「アンタの事が嫌いだって言ってんの、解らない?
  この事は絵茉に言うんじゃないわよ、あの子めんどくさいんだから」
音「………」

音「…でもでも、ちゃんとおねえちゃんの事は好きだよ!」

メモ

今回は以上です。

*豆知識
・妖怪には性別の概念(男性、女性、その他)は一応あるが、生殖はしない。
自分が衰える事も(基本)死ぬ事もないので子孫を増やす必要が無い。
妖怪がどうやって生まれるのかと言うと、人間の想像、恐怖心の肥大化が妖力と実体を得たり、長い間朽ちずに存在し続けたモノが力を持つ事で生まれる。
そして、不老長寿なので、殺されたり、自ら命を絶ったりでもしない限り死ぬ事は無い。
ごくまれに変わった妖怪が異種族と子供を設ける事があるが、そうして生まれた子供は純血に比べて力が弱かったり、種族の社会に馴染めなかったりするので、基本両種族から迷惑がられる。

日記

今日からの三連休で冬休み終わり!
何故かうちの学校の夏休み・冬休みは他校より短めです。
終わるまでに完全にやり忘れてた英語課題終わらせないと…。