深淵小町

「しんえんこまち」と読みます。主に創作。

変容

扉絵???


本編

『薬の効果なのか、私にあまりゾンビウィルスの症状が出る事はありませんでした。
目の前ある日に日に腐敗が進む弟の死体と一緒に生活します。
弟の死体が腐り切るまで。”弟の死体”という表現なのは、彼の魂がまだ肉体に囚われているとは思いたくなかったから。』

彩「ユイキリが…。死んじゃった…。
  何コレ…宝石…?
  何でこんなもんがこんな所にあるの…?…でも普通に綺麗だなあ、もっと空気が綺麗で安全な所で見つけたらテンション上がったんだろうなあ」

『その時私は恐らく、”安全な場所に行きたい”と心の底から願いました。
だから、宝石―――アメトリンはその願いを叶え、私を安全な場所、地球に連れて来たんだと思います。
目を覚ますと、そこは日本のとある村で…、当然その時は地球の言葉が解らなかったので、現地の人に何を聞かれても黙る事しか出来ませんでしたが。
結局、私は一時的にですが、この村に住める事になりました。』

彩「はああ…。ここ、別の星なんだ…。確証は無いのに何となく解るのは何でや…。
  というか何だコレ?祠?
  この星にも祠があるのかなー?」

『現地での生活に不自由はありませんでしたが、突如問題が起こりました。お腹が空いた…のではなく、肉が欲しい。
動物の肉ではなく、死んだ人間の肉…。魂と一体化した死蝋児が本能にダイレクトに干渉して来ているのでしょうか。
でも、言葉の通じない異星人に良くしてくれた恩人たちを食べる訳にはいきません。
頑張って、理性で抑え込みます。気を張り詰めすぎて、ストレスなのか、髪の色ががらりと変わってしまいました。
抑えながら生活していたある日、私の元に不思議な動物が現れました。』

ス「誰?…いやちょっと待って、何か覚えのある匂いする。ちょっと失礼、嗅がせて」

『彼曰く、自分は性別も名前も実体も無い。
この村の人間に昔酷い目に遭わされたので、今は祟り神として猛威を振るってみている、と。
その霊がスノドロです。一緒に居る様になって、海外に住む様になった後、スノードロップという花を知って、ようやく彼の名前が決まりました。
同時に、ワタシは名前に彩枦という当て字を当て、実質的な改名を果たしました。』

彩「スノドロ、あの村どうなったんだっけ、それで」
ス「もう無くなったか廃村になったんじゃない、人が皆死んじゃったワケだし。彩枦以外」
彩「そりゃそっか。人ってさあ、結構あっさり死んじゃうよね…」
ス「何も知らないって事でいいじゃん、もう。魂ほっといて来たし、いずれ霊感強い人が謎を解き明かしてくれるよ!」
彩「何で遺体もなければ血の一滴も残ってないんだろ?」
ス「誰かが血の一滴も零さずに胃の中に入れちゃったとかかもしれないね」
彩「何だあじゃあ死蝋児のせいじゃん」
ス「え?しろうじって何?」

メモ

今回は以上です。

彩枦の体色で自然に変わった(死蝋児の影響で変色した)のは髪だけです。
あと身長も伸びました。

スノドロは、人間の冷たい感情を浴びながら死んだので、吐く息は氷雪の如しと言っています。

日記

最近歌のoff vocal版を聴くのにハマってます。
youtubeによくあるトピックチャンネルに入りまして、好きな曲がまとめられている再生リストを発見、中に(Instrumental)と付いた動画があれば嬉しくなります。
歌が無くなった事で新たな発見を得る事もあるのでしょう。