本編
彩「ふう。ここは涼しくて良いわー」
ス「ホントは勝手に入っちゃいけないけどね」
彩「ワタシらどっちも死んでるからセーフセーフ。
ここは獄卒も亡者も少ないし」
ス「それにしてもビックリだよねー。アメトリン、地獄にまで入れるなんて」
彩「ねー。お陰で良いトコはっけーん」
ス「地獄と現世じゃ時間の流れる速さが違うのも良いよねえ」
彩「こっちの数時間は、あっちの一瞬にも満たないからなー。
今ワタシ達がどんだけ地獄でだらだらしてても、みこっちゃん達を待たせる事にはならない」
ス「彩枦、寒さに強いとはいえ、流石に地獄はキツいんじゃないの?
ここ八寒地獄の7層目だよ?」
彩「へーきへーき。どうせ凍傷とかになっても即治るし。
ワタシは頭吹っ飛んでも回復出来るんだから。寒さくらい何でもないんだワ」
ス「それもそっか。
折角地獄に来たことだし、何か食べる?」
彩「八大地獄で売ってる焼きうどんでも食べるよ」
ス「最近地獄も近代化して来て便利だねー」
▲
彩「よしじゃあ皆、痣縄村行くよ!」
ス「準備出来てる?」
昴「………」
命「?」
め「………」
彩「どしたん?そんな顔してー」
め「なんで彩枦ちゃん髪の毛の一部凍ってんの」
彩「それは隣の動物霊の仕業ではないかと思われるが…」
め「嘘だ。スノドロは冷気制御出来ないって事はなかったはず」
ス「ペロッ」
め「今何舐めた?」
ス「け、毛繕い」
め「本当に?」
彩「今までワタシがめごかちゃん達にウソ吐いた事なんて無かったよなぁ!?
ばるさん!」
昴「何度も家賃滞納したり一般人にウザ絡みして騒ぎを起こす奴に言われても…」
彩「みこっちゃん!」
命「私の事何回か騙してからかってた気が…」
彩「畜生!何でだ!」
ス「当然の結果だ!」
彩「ばるさーん、ワタシってもしかして信用ない感じ?」
昴「むしろあると思ってたのか。ただでさえ無職なのに」
彩「な、何故だ」
め「日頃の行いが原因だけど」
彩「生活態度が悪いって言うのかよ!」
ス「悪いでしょ」
彩「うわーん畜生め!髪が凍ってんのはワタシの種族によくある生理現象だよ!(嘘)」
め「ホント?」
彩「マジ!今までアンタが見逃してただけ!」
め「うーん。まあめんどいからそれでいっか」
彩「よ、よし、じゃあいい加減行くよ!痣縄村!」
命「行きましょう」
メモ
アメトリンは、行った事が無い所、位置すら解らない所でも、ある程度イメージ出来てれば行けます。
便利ですねー。
そのせいで彩枦は都合が悪くなったら行方不明になること前科100犯。
*地獄
生前に罪を犯した亡者が行く所。
八大地獄と八寒地獄に分かれており、獄卒等を含んだ人口は前者に大きく偏っている。
八大地獄は多数の亡者が悲鳴を上げ、鬼や悪魔が跋扈する近代都市だが、八寒地獄は亡者も獄卒も少ない僻地である。
どれくらい寂れているかと言うと、彩枦&スノドロが頻繁に出入りしても大して気付かれないくらい。
日記
我が県では今日初雪が降りました。
昨日の雨はその布石だったんでしょうかね。
雪かきという手間を代償に陽の光が弱くなるのでぶっちゃけありがたい。
いや嘘。歩きづらくなるし寒いからデメリットの方が多いわ。