深淵小町

「しんえんこまち」と読みます。主に創作。

行ってみた場所

扉絵


本編

ス「え、まだ回想続くの?」
彩「あともうちょっとだけだから!許して!お願い!」

昴「どういう教育受けて来たんだ、オメーは!」
彩「教育受けてないからこうなったんです!」
昴「っ…成程そういう事か」
ス「数十年二人でひたすら自習です」
彩「本題入りましょ」
昴「待てや、何の話だ」

昴「死体の妖怪…?『死人憑』とか?」
彩「何それ何それ!?」
昴「落ち着け。死体が突然暴れ出すっていう怪異だ」
ス「日本の妖怪にもそういうのいるんだ」
彩「スノドロ、寝てたでしょ」
ス「猫は一日の大半を寝て過ごすんだよ」
彩「え?はい?猫?ばるさん、コイツ猫に見えます?」
昴「どっちかって言うと子供の狐に見える…」
彩「だ、そうだぜ、犬野郎」
ス「別に何でも良いよ。死人憑の詳細教えて下さいな」
昴「ああ、うん…。
  死人憑はまあ…死んだはずの百姓がいきなり起き上がって暴れ出して、困った家族はやむなく家を出て、百姓をそこに閉じ込めた、という」
彩「家族はソイツを止められなかったの?」
昴「異常に力が強かったらしい。しかも夏だから腐敗が早くて大変な事になったのもあって、祈祷にすがったりもしたが意味は無し、挙句百姓は酒や飯を求めて大騒ぎ」
ス「それでソイツはどうなったの?高名なお坊さんでも通りかかった?」
昴「や、一晩経ったら大人しくなったので、慌てて葬儀を済ませたらしい」
彩「ああ、意外とあっさり終わるんすね」
ス「死体なんて本来既に終わってるものだからね」
彩「そうだわねえ」
昴「ま、だからこそいつまでも肉体と魂が乖離しないゾンビは異質な妖怪扱いなんだ」
彩「妖怪なの?」
昴「普通の人や動物でも神でも霊でも無い奴はまとめて妖怪扱いされてるぞ」
彩「へえ~そうなんや…」
昴「ゾンビは人間が死んでも魂と肉体が分離しなかった結果、みたいな存在だから。
  普通の元人間の妖怪とは違う、人間と地続きになっている」
ス「なるほどー。幽霊ともまた違う?」
昴「体はそのままだからな。魂だけになったりするのとは違う」
ス「うーむ。彩枦ちゃんと聞いてる?」
彩「聞いてるよ。
  あの、町長さん、一つ確認したいんですけど」
昴「どうした?」
彩「ワタシとスノドロはですね、普段は横須賀市のマンションに住んでて」
昴「つまりそっちが拠点って事か」
彩「戸籍はこっちだけど、メインの家はあっち、っていう大変不誠実な状態なのですが、宜しいでしょうか」
昴「呼んだらすぐ来てくれるようなら別に良い」
ス「ありがとうございます」

メモ

今回は以上です。

彩枦は意味不明な行動を繰り返していますが、生活が(金以外)落ち着いた今は割と安定しております。
やった!

日記

猫さんの写真で癒されて下さい!どうぞ!