本編
み「ちゅーことで、寿霊市の旅館に来たぜ!」
音「わーいわーい」
絵「何故!?」
音「テコ入…気分転換だよ」
絵「それにしても唐突すぎるけども。
というかこの旅館って心霊現象起きないの?」
み「別に歴史ある所って訳でもねー新しい所だからな。特にねーぞ」
絵「んー…。寿霊市って妖怪居ないの?
みずは町の隣町なんだよね?目隠しされて車に押し込まれたからよく見られなかったんだけど…」
み「妖怪は結構いるだろ。
ホラこの謎に置かれてる地図見てみぃ」
音「もしかしてこの風神岳っていう山?にいる感じ?」
み「ああそうだぜ。まあこっちにいる連中はなー。
寿霊市って人間の為の町っつー設定だから禁域がねーのよ。
それに目を付けた狡猾な妖怪共が風神岳に潜んでやがるぜー」
音「定期的に寿霊市で人間が行方不明になりましたーってニュース流れるもんね」
絵「だ、大丈夫なの?この町」
み「行方不明者の全てが妖怪に襲われて消えたって訳じゃねーから安心しな」
絵「もっとヤバくない?」
音「人間も荒れてるんだよ、この町。多分。
まあ取り敢えず寝る前に枕投げしよーっ」
絵「え?ご飯は?お風呂は?」
み「悪いな絵茉、この旅館は従業員が居ねーんだ。だから風呂も飯もねー」
音「布団と浴衣は残ってたから出してみたけどね」
絵「え…!?つまり…どういう事?」
み「ここ廃墟やで」
音「何でもとある妖怪が頻繁に出入りしては客を攫って行くんで、仕方ないから惜しまれつつ廃業したらしいよ」
絵「いやああああ!通りで廃墟っぽいと思った!
帰る!こんな所に居られるか!私家に帰る!みずは町の!」
み「夜道を一人で歩いてる人間とか人食い妖怪の格好のターゲットだぜー。
今度見つかったら肝臓どころか脳味噌から爪先まで残らず頂かれるぜー」
音「だからほら、大人しく枕投げしようよ!
あれ?何かこの枕、中からカラカラ音がする」
み「何故か歯が真っ黒になったカッターが別の客室に転がってたぜ、音海。
掻っ捌くぞ!」
音「おー!
あ!中から…何コレ?」
絵「じ、人骨…!ねえやっぱお姉ちゃんもう無理!
車!車あるでしょ!あ!私免許持ってなかった!」
み「ふむふむこれは足の指の骨だなぁ~。
ふふふ、錯乱しているようだな絵茉。一回寝て落ち着けよ」
音「それか犬に変身して骨齧って見る?」
絵「そ、それをやったら一線越えちゃうっ…」
絵「あ!夢か!」
音「おねえちゃんおはよ。
途中から凄い魘されてたけど。どんな夢見てたの?」
絵「廃墟と化した旅館に一人佇む夢…」
音「怖いねー」
み「おいお前らー、もう12時だぜ、ことりが作っといてくれた飯食おうや」
メモ
今回は以上です。
寿霊市は怖い所です。
絵茉は誓って人間は食べません。これから働く地獄には人間食べる奴いくらでもいますけど。